白い翼と…甘い香り


「お願いだから
引き返して…」

「ダメだよ」

「和也に…逢いたい。
ねぇ、引き返してきてよ…」

「ムリだって」

「帰ってきてよ…」


もう、声も届かない気がして
悲しくなった。



終わりを告げたのは私で
離れようとしたのも私だった。


それなのに和也は
暖かい言葉をたくさんくれて

私が選んだことなら
構わないと

文句を言わずに
受け止めてくれた。






間違っているかも知れないと
思いながら選んだ結末は

私だって不安だった。

間違っているかも知れないと
気付かないように

和也のためだって
言い聞かせた。



自分の心に
ウソをついちゃ

ダメなの…?



欲しい物を欲しいと言っても

構わないの…?



それが和也の言う


強さ…なの?