白い翼と…甘い香り


「今朝、リカが帰ってから
買いに行った」

「そんな時間…」

「だから
ギリギリって言ったじゃん」



エレベーターが地下に到着して
転がるように
駐車場へ飛び出したけど

とても見渡せないほどに広いし
あっちこっちに出口はあるし

どれだけ探しても
見つかるはずもなくて

どうしようもなく
泣けてきた。

立っていることが
出来ないくらい

泣けてきた。




「ねぇ…お願い…
帰らないで」

「もう
高速に乗っちゃったから」

「こんなの、いらない。
私1人が持ってたって…」

「俺も、同じのがある」



だから、和也は私に
どうしろって言うの?


何を、どうすればいいか
分からない。


それじゃどうして

帰っちゃうの…?