白い翼と…甘い香り


「じゃあ…
じゃあ、どうして来たの?
訳が分からないじゃないっ」


「だから
リカが欲しがってた物
持ってきただけ」


「何…? 私は何にも
欲しがった物なんて
ない…」



やっと乗り込めた
エレベーターの中で

携帯電話を落とさないよう
肩で支えて

「切らないでっ!」
と叫びながら

慌てて紙袋を開けてみる。



もう、手が震えて
急いでいたから余計に慌てて

紙袋の封なんて引き破って…



中に、小さくて薄くて
白い和紙で出来たような
袋が入っていて

それを見た瞬間に
中身が分かった。



「どう…して…?」

「何が?」


「どうしてコレが
今…

あるの…?」