白い翼と…甘い香り


「ねぇ、聞こえてるんでしょ?

どこに、居るの?
返事をしてよ…」


和也が、携帯電話を耳から
離してない事は分かる。


何故だか
分かるんだ…



私の声を聞いてる事は
確実だったのに

でも
返事をしてくれなかった。


どっちを見ても
和也は居なくて

私はあちこち走り回って
息が切れて苦しかった。



でも、苦しいのは

違う場所だね…



和也を想う心が

苦しかった。




いつも近くにいて
寄り添ってくれたから

私は和也を
自分からこんな風に

探したことが
無かったね。


待って!!と叫んだことも
1度だって無かったね…



姿が見えないって
こんなに…


こんなに寂しくなって
不安なんだね。