「渡したい、もの…?」
「うん」
「何にも、受け取らないよ」
「別に困るとか負担になるとか
そういうもんじゃねぇから」
「けど…」
私が言葉を濁しても
和也は全く気にしない様子で
何だか良く分からないけど
昨日から
ずっとずっと前に
出会った日から
もしかしたら
出会う、前から…
どこも
何も
何一つ
変わってない気がする。
お互いに
増えた気持ちは多いけど
きっと
減った気持ちは1つも無い
そんな気がするよ。
「俺の立ってる横に
でっかいクリスマスツリーがあんだろ?
季節的に、まだちょっと
早い気がするけどさ」
「うん、まだ11月だもんね」
そう言って、笑った。
町中に見える景色も夜景も
そんなムードが高まってくる
11月の後半
クリスマスは恋人達の
季節だって思えて
少しだけ悔しい。
キレイなツリーに
何だか嫉妬しちゃうんだ。

