見透かすような
目で見られたら
泣いてしまう…
だから、顔を上げる事さえ
出来なかった。
和也の、かすれた声が
響くだけの静かな空間で…
私たちはお互いに
どれだけ相手の事を
想っていただろう…
とても不器用で
ヘタクソで
上手く言えなくて
もっと他にいい方法が
あったかも知れないのに
でもどうして
こんなに想い合って
いたんだろうね…
心は、張り裂けそうに
辛いのに
私が隠した言葉を
分かってくれてる
言わなくても
理解してくれてる
ただそれだけの事が
暗闇の中でぼんやり灯る
仄かな明かりのようで
私にはそんな事が
救いのように
嬉しかったんだ。
心の
1番底に隠した本音を
気付いてくれた事が
本当に
嬉しかったんだ。
和也の肩に
抱かれたまま
脈を打つ振動が
伝わってくるね…
これも、幸せの音
だよね……?

