白い翼と…甘い香り


主人は
私がクッキーを好きな事

ドライフルーツが苦手なこと
知ってる?


コーヒーは
自分が苦いのを好きだから

それに合わせるのが
当たり前だと思ってる。


まるで
自分の考え以外は
受け入れない事のように

私の好みなんて
聞いた事もない。


それは
知る知らない以前に

ただ
私に関心がないから
知ろうとしないだけ。


聞こうともしないし
聞く気もない。


私のことなんて
知っても知らなくても

どうでも良いこと
なんだろうね…



髪の毛に、指を絡めて
言葉に詰まる、私の姿…

あの人はもう、
何年も見てきたはずなのに…

1度だって
言われた事がない。




「そっか…、そういう風に
考える人も居るんだね…」


何だか
言葉にならなかった。


何と言えばいいか
分からなくて

和也の真っ直ぐな目に
戸惑っていた。


吸い込まれてはいけないと
キレイなその目を

出来るだけ
見ないようにしていた。