でも
和也は気付いてたみたいで

「どした?」

と、眉間にシワを
寄せるような顔で聞いた。

「ん…、メールが来てたの
気付かなかった」

「友達?」

「多分ね。
でも気にしないで寝ていて
すぐ返信して私も寝るから」



ベッドから少し離れてソファーに座り
重要な用件ではない事を

祈るように願いながら
携帯を開いた。






〜〜〜〜〜

家に電話したけど出なかった。
どっか出掛けてるのか?

M工業の重役で
社長の片腕だった方が
病気で休養されてたんだが
昼過ぎに亡くなったと
連絡があった

今日の会議や視察は
無事に終わらせたから
明日の予定は中止して
始発で帰る

東京には10時までに着くから
私の礼服を用意して
事務所に届けてくれ

世話になった方だから
君も葬儀に出られるよう
準備して来るように

11時には行かなきゃ
ならないからギリギリだ
遅れないように頼む

〜〜〜〜〜