「だから…、何?」
「もし今度もう1回こうやって
一緒にコーヒー飲むとして
ちゃんと好みは聞いたんだから
苦いのは出さないよ?」
「私に?」
「そうだよ?
何でそんな変な顔して
聞いてんの?
当たり前の、事だろ?」
和也の言う
【当たり前の事】に
自分がどれだけ
心を惹かれているのか
それが分かった。
純粋に
真っ直ぐに
向けられる視線と
裏表のない、素直な言葉。
私の事を知りたいと
言ってくれた言葉に
自分がどれだけ
引き寄せられたか…
それに
気付きたくなかった。
気付くと
自分がどれだけ
寂しい人間か
それも
気付いて
しまうんだから…

