白い翼と…甘い香り


ホントにフワフワの手触りで
暖かくて柔らかい感触が

まるで和也の
気持ちみたいに思える。

和也が選んでくれたのは
この冬はコレが流行ると

さっき見た、ストールだった。


どうしたら
いいんだろう…?

ストールの季節には
まだまだ早いのに…

寒い季節には
私はもう
居ないのに…


「それあったら
寒くねぇだろ?」

「うん、絶対に暖かいね」


このストールがあれば
1人でも
暖かいのかな…

ストールを巻いた姿
似合うと言ってくれたけど

きっと和也には、その姿を
見せてあげられない。

見てもらう事は、出来ない。

寒い冬には、もう
私は、アナタの横に

居ないんだ…




お互いに、貰ったプレゼントを
抱えてホテルに戻った。

ホテルの中には何件か
レストランが入っていたから
そこで夕食を食べる事にした。

ホテルの雰囲気が
とても良かったから

レストランもきっと
気に入るだろうと予想して

フレンチの店を1時間後と
フロントで頼んでおいた。

部屋に上がってみると、私が
思っていたよりかなり広くて

大きなダブルベッドが目立つ
シックで落ち着いた部屋だった

窓も大きくて、外の景色を
ゆっくりと見渡せる。

夕暮れが迫って
少しオレンジ色に見える空が
とても鮮やかでキレイだった。

きっと和也は少し奮発して
良い部屋を取ってくれたの
だろうけど

それは言葉に出さず
黙っている事にした。