白い翼と…甘い香り


30分後に、もともと
居た場所で待ち合わせて
そのまま外へ出た。

デパートを出て街を歩きながら
ホテルの方へ戻り

ふわふわのハートを
書いてくれたカフェの前を通り
ホテル横の大きな
公園までやってきた。

途中の道端で
ソフトクリームを買い

「行儀が悪いね」
って言いながら食べてる。

大きな噴水の前で
ベンチに腰掛けて

「リカは、何買ったの?」

と、私が和也に買った
プレゼントの中身を気にしてる

「はい、どうぞ。開けてみて」

「先に、貰っていい?」

「うん、気に入ればいいけど」


この間、お気に入りのブーツが
少し壊れたと言っていた。

まだまだ履けるけど
足首のあたりに付いた
小さな金具が

右足だけ取れてしまって
カッコ悪いって

だから修理に出そうか
新しいのを買おうかと
迷っていた。

だから私は、真っ黒な
皮のブーツを買った。

「すっげぇいい感じ!」

と喜んで、すぐその場で履いて
履き心地も良いと
満足してくれたようだった。

ニコニコと笑って
嬉しそうにする笑顔は
子供みたいに
無邪気だったから

その笑顔を見ていると
やっぱり

少し苦しく
なってしまうね…

ズキズキとどこかに
刺さってしまうんだ。



「俺のも、どうぞ」

和也が買ってくれた
包みを開けると…



ねぇ…、また少し心が

苦しいよ…



「リカは髪の毛を
良く束ねてまとめてっから
首元が寒いかな~って」

「うん、冬は首が
すごく寒いんだ…」

「色がすっげぇ似合うだろうし
フワフワで暖かそうだろ?」

「うん、すごく暖かそうで
気に入っちゃった。
ありがとう、大事にするね」

と、胸元に抱え込んで
頬を寄せてみた。