「だから何よバカっ」 「あ、怒った」 伊織だって前は一緒に遊んでたくせにっ。 東京にいるからって大人ぶっちゃって! 「伊織のバカっ何で来たの!」 「ひっで…これ渡しに来たんだよ」 ひょい、と持ち上げられたおみやげ。 私でも知ってるような、有名なお菓子だった。 伊織はそれを私に手渡そうとする。 「…ありがと」 受け取ろうと手を伸ばした直後。 ものすごい力で腕をひかれた。