「…な、起きろ。柚名!」 「ん~…」 心地よい眠りから覚めた。 「夕飯できたってさ」 「…眠いぃ」 「行くぞ」 伊織の大きな腕に肩を抱かれる。 温かくて、愛おしかった。 「…夢、見たの」 「どんな夢?」 階段を降りながら、夢の話を続ける。 「…内緒」 なんだそれ、と伊織は笑った。 だって、言えないでしょ?