夕飯ができるまで、私たちは私の部屋にいることにした。
「…変わってねぇな、ホント」
伊織は呟き、机の近くに座る。
「何しよっか」
「…アルバム、見たい」
伊織がそう言うのは、初めてだった。
私は頷き、本棚の一番下にあるものを取り出す。
大きなアルバムが3冊、あった。
全部、伊織との写真。
伊織はアルバムを受け取ると、ページをめくった。
私も伊織の隣に座り、アルバムを眺める。
伊織は懐かしそうに、一枚一枚、写真を見つめていた。
「…?何かこれ、よそよそしくない?」
私は伊織に尋ねた。
「…覚えてないの?」
伊織はびっくりしたように言う。

