…これじゃ髪がぐちゃくちゃになっちゃうじゃん。 だけど、そんなことどうでもいいくらいに嬉しかった。 「また明日も遊ぶから。今度は…ダンボールのそりとか?」 伊織は再びしゃがみ込んで、私の顔を覗き込む。 「…だから、泣くなよ」 …え? 「…私泣いてないよ?」 「涙が出てなくても、顔が泣いてんだよ」 顔、が…泣いてる? 「お前は昔から我慢屋だからな。いつも泣くの我慢するとき、その顔になるんだよ」 ゛…知ってた?" …ううん。知らなかった。