男性客が文句を言っているようだったが、しばらく隆一と話て、男性客は沈んだ表情を浮かべ帰って行った。

『…追い返したのかな…?』

彼はバイトチーフで、明日香の教育係りでもあった。

物腰も柔らかく、他のバイト、店長からの信頼も厚かった。

「あの、上条さん…」と、明日香が隆一の後ろから話しかけると、

隆一は振り返り「ん?」とニコニコと微笑んでいる。

「あの、さっきはありがとうございました」と明日香はペコリと頭を下げて、お礼を言った。

「あぁ~、いいよいいよ~。あぁ~ゆうのはすぐに俺とか、店長とかね。とりあえず、男のスタッフ呼べば対応するからね」

「はい。ありがとうございます」

「まぁ明日香ちゃんはカワイイからねぇ~」

「あっ…、いえ…そんなことは…////」

明日香は、顔を真っ赤にして「あっ…えっと、テーブルの片づけ途中なので…」と、再びペコリと頭を下げて、片づけに向かった。