『えっ? 血?何?何を言ってるの?』と明日香は、頭の中で混乱していた。

「おい! 誰か救急車だ! 救急車呼べ!」
「警察も呼べ!!」

『救急車? 警察? 何言ってるの?』

何かが明日香の上からズルリとすべり落ちた。

ずっと、少し暗かった明日香の視界に光が入った。

明日香は、何が落ちたのかそれを見ると…

「えっ? なん…で?」

そこには、頭から血を流して実が倒れていた。

地面に血だまりができていた。

周りの人たちが騒いでいる。

さっきの2人の男性が、他の男性数人に押さえつけられていた。

どうして…、

なんで…、

明日香は、膝から崩れ落ちると、実の身体に手を触れた。