「人凄いね」と実が明日香に話しかける。

「多いですねぇ〜毎年増えてるのかなぁ〜?」と明日香が答える。

2人は、広島県内ではかなり大きな祭りでもある、“酒まつり“に来ていた。

明日香は何度か来たことはあったが、実は来たことはなかった。

ある日駅まで明日香を送るとき、バスやポスターに実が目を奪われていた。

「どうしたんですか?」と明日香が尋ねると、

「いや〜なんか酒まつりってなんだろうなぁ〜って…」と実が答える。

「えっ? 知らないんですか? 結構大きなお祭りのはずですよ?」

「そうなの? それってこの辺でやるの?」

駅までの道のりで、イズミに差し掛かった辺りで実が尋ねた。

「ん〜もっと駅の方ですよ〜。 この先に広い道路あるじゃないですか。 そこがホコ天になって…」

「へぇ〜じゃぁ結構近いんだ。」

2人はそのまま駅に向かって歩き出した。