実さんと付き合いだして、もうすぐ1ヵ月が過ぎようとしていた。

仕事と学校があるが、私の学校から駅まで行く間に彼の部屋があった。

でも、彼の仕事が終わるのが遅いので私達が会うのはほとんど終末だった。

付き合いだして最初のデートは、動物園に行った。

その後は、一緒に食事するくらいで…。

今、私は彼の部屋に居る。

彼の部屋に来るのは2度目だ。

覚悟はしていたが、初めて彼の部屋に来た時、何もしてこなかった。

この1ヵ月、私達はまだキスどころか、まだ手も繋いでない。

あの宮田なら直ぐに襲われても…と思っていた。

彼は、実さんは、――宮田じゃないのかも知れない…。

そんな思いが日に日に増している。

このままじゃダメなんだ…

宮田に復讐する為に近づいた…。

姉の命日に出会った偶然のせいなのか…、

あの時も首筋に絆創膏が貼ってあっただけなのか…。