「お願いしますっ!急に倒れて!彼女を助けてくださいっ!」

移動するストレチャーに並走して、走りながら実は叫んでいた。

「あなたは危ないから離れてっ!」

――、

「お連れの方ですか?」

「あ、あの彼女は…?」

「心配要りませんよ。ただの貧血のようです。」

「貧血…」

「一応、点滴してますんで、少し休まれて、目を覚まさ…ちょっっと君?」

実は、床にヘタヘタと座り込んだ。

「大丈夫かね?」

「あ、大丈夫です。良かった…本当に良かった」

「まだ、寝てるけど病室に居てあげなさい」

――、