『もう少し、右へ…』

ゆっくり、ゆっくりと移動する。

実に気付かれないように…。

『え…なんで…』

実の右耳の後ろ…あの痣があるであろう場所には、絆創膏が貼ってあった。

『…なんで…隠して…まさか、気付いてるって気付かれて…?』

「あ、乱入された…」

『…宮田、宮田、宮田、宮田、宮田、宮田、宮田、宮田……』

「あぁ~やっぱ負けちゃったよ…ハハハ…」

実は、明日香の顔を見て驚いた。

「明日香ちゃん!」

「…え?あ…はい…?」

急に実に名前を叫ばれた明日香は驚いた。

「大丈夫なの?」

「え?なっ、何がですか?」