姉、桂木 明美――、

……17才夏……夏祭りの夜……

レイプされていた……

犯人は、宮田 信二、

――15才の少年だった……

本来なら、未成年犯罪者の犯人の名前など分からないが、姉と同じ高校の1年生だった。

外を歩けば、その噂でもちきりだった…。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

「辛かったね?」

私が外に出ると近所のおばさんがそう声をかけて来た。

何を言ってるのか分からなかった。

でも、何故か悔しくて、私は泣いた――。

そして――、

少年法に守られた犯人は、前科が付くこともなく、少年院に入るだろう…と、

回覧板を持ってきた近所のおばさんが話していた。

姉と私は、階段の影で聞いていた。

繋いだ姉の手が冷たく感じた――。