「もうすぐ臨海学校だよ!」

「そっか、臨海学校かぁ…」

「楽しみだね、臨海学校」

「りんかいがっこう…?」


初めて聞く言葉に私は首をかしげた。

「1学年全員で海に行くんだ」と翔に耳打ちされた。

海、かぁ…。


「どこの海に行くの?バリ島?」

『バ…!?』


みんなの目が大きく見開けれて私を見ている。

その目に押され、私は小さくなったしまった。

翔は机に突っ伏して笑いをこらえてる。


「プっ…!アハハハハハ!!!
悠乃最高!」


最初に我慢でいなくて笑い出したのは駿。

続いて彩、萌奈ちゃん。

翔も肩を震わして笑ってる。

な、なんで?


「無理無理!この学校そんなに予算無いって!」

「それに、パスポート持ってない人も大勢いると思うから、
もし行けたとしてもみんなパスポートはこうしなきゃいけなくなっちゃうよ」

「え?みんなパスポート持ってないの?」

「悠乃持ってるの!?」


彩がまたもや大きく目を開いた。

そのまま「金持ちねぇ…」なんて。

…はい、お金持ちなんです。


「私も持ってるけど、近くの国しか言ったことないな…。
友達が韓国にいるから、一回遊びに行ったきり」


萌奈ちゃんが言いながら顎に手を当て数回頷いた。