私のカーディガンを取り、「では」と言って私の右手を引く龍神。

びっくりした。

右手が妙に熱い。

男の人の手って大きいな…なんてのんきなことを考えていた。

向かった先は裏庭。

小さいころよくママと遊んだ場所。

今でもちゃんと手入れされ、きれいなままだった。


「懐かしいー!昔のまんまだ!」


龍神の手を放し、裏庭に入ってあたりを見回す。

何もかも変わらず、庭にはたくさんの花が咲いていた。

春先の今の時期はきれいな花がたくさん咲いている。


「お嬢様、上をご覧ください。」

「上?」


言われた通り見上げてみる。


「……すご…」


視界に入ったのは無数の星。

初めて見た、星。