自分より大きな
なにかにぶつかった。
何かが人
男の人だということに
気づくのに10秒もかからなかった。


「あっごっごめんなさい、
ちょっと探し物をしていて・・・」


あふれそうだった
涙もひっこみ
反射的に謝っていた。


「いえ、いいのですよ」


低くやさしい男の声が
頭の上から聞こえた。