びゅうっ


「あっ」


少女の頭のリボンが
風に流れていく


「どうなさいましたの?」


「先に行っておいてください」


「えっ?あっちょっと志季お嬢様!?」


志季と呼ばれた少女は
流れたリボンを追いかける


-あのリボンは-
だがリボンは下に落ちたのか
流れた方向にいくら走っても
見つからない


-そんな-
涙があふれそうになりながら走っていると
前の見えなくなっていたのだろう



ドンッ