「別に、何もねぇよ」
「またまたー!トボけたってムダだぜ!元カノと一緒に帰ったって事は〜?答えは⁈ イエス オア ノー⁈ 」
「は?意味分かんねぇよ。何が言いたいんだよ」
出て来た声は思っていたものと違う。直哉は自分の声が普段と違うとても低い所から生まれたのを感じた。
直哉の纏う刺々しい雰囲気に数人の女子が気付き始め、「ほら、もうやめなよ」なんて止めに入ったが、すでに最高潮まで盛り上がってしまっている周囲にそれは何の意味も成さない。
「何が言いたいかって聞いたか⁈ そりゃあおまえ決まってるだろ!おまえとあの美人で有名なまさかのおまえの元カノの仲本さんはつき、」
「付き合ってねぇよ」
「あって…え…?」
シンーー、とした。
聞こえて来た、やけに低い声。盛り上がっていた分場違いなその声に辺りは一瞬にして静まり返った。



