翔は直哉の様子を見て、「ふーん」と少しつまらなそうにした。絶対に何か合ったのは確かだ。直哉の事である、いつものようにすぐに口を割ると思ったのだ。


「ま、それならそれでいいけどよ。おまえ、これから忙しくなるだろうなー」

「…ンな事ねぇよ」

「そうか?そうでもねぇと思うぞ?これからはココよりあの女と居る時間の方が長くなるんだから、そりゃあまぁ青春真っ只中的な事だって沢山、」

「無ぇよ、無ぇ!あり得ねぇ!」


必死に否定する直哉に翔はまた、「ふーん」と相槌を打つ。しかし今回は先程とは、違う。翔の興味は完全に直哉へと向けられている。そして、「なんならさぁ」と、口を開いた。


「オレが面倒、見てやってもいいけど?」


そして翔は見せつけるように、ニヤリと怪しげに微笑みーー


「おまえの大切な、ココの事」


直哉の反応を心の底から楽しんでいた。