一番近くに君が居る



そんな直哉に美穂が「直哉君聞いている?」なんて顏を覗きこむが、直後に直哉がスッと身を引いた事によってその距離が縮むことは無かった。それが少し、美穂の気持ちを突つく事になる。


「…直哉君は私の事どう思ってるのか知らないけど、私は直哉君が好きよ。だからバスケ部でまたマネしようと思ったの」

「……」

「私が居るのココちゃん知ってるの?でも付き合ってないんだもんね。これからどうなるかは分からないわよね」

「…でも、だから俺は、」

「いいの。やめて、今はやめて」


そう言って、強い瞳で直哉を見つめる美穂。その勢いに押される形で口を閉じた直哉に、また美穂は優しく微笑みかけた。


「これからまた一からやり直して、そこで気持ちが変わったらでいいの。だから今はまだ言わないで…お願い」

「……」