一番近くに君が居る


「急に帰ろうだなんて」と訝し気に直哉が尋ねると、美穂は首を傾げてキョトンとしてみせる。


「何も無いけど…一緒に帰ろうって誘っちゃいけないの?」

「…いや、そうゆう訳でもねぇ…訳でもねぇけど…」

「…なんで?もしかして、ココちゃんと付き合ってるの?」


美穂がそう口にした瞬間、一瞬だが、直哉が反応したのを美穂は見逃さなかった。ココの名前を出すと直哉はいつもそうだ。いつもその名前だけには反応を示す。それが美穂は気に入らなかった。


「…付き合ってねぇよ」

「じゃあいいじゃない。違うの?ココちゃんがそう言ってるの?」