一番近くに君が居る



その声に直哉を含め部員一同、一斉に振り返るとそこに居たのはいつも部活では結んでいる綺麗な長い髪を解いた姿で立っている、只今絶賛噂中の張本人だった。

一瞬時間が止まったかのように部員達の動きが止まっていたが、一人が理解し「ま、まじで⁈」と口にした瞬間、今度は魔法が解けたかのようにザワザワと皆ざわめき始める。そんななか直哉はただ一人、まだ動き出せずにいた。

しかしそんなことは御構い無しとでも言うように、美穂は固まったままの直哉を見てニコリと笑い、「ねぇ?直哉君」と話を振る。同意しろと、言っているのだ。

もちろん事実は事実であり、否定する訳にもいかない直哉は「あ、あぁ」なんて戸惑いながらも返事をすると、美穂はとても満足気に微笑み、


「校門で待ってるから。一緒に帰ろう?」


そう、直哉に告げた。