一番近くに君が居る



ん?オレなんて可愛いもんって…つまり何?どういうこと?基準はどこ?

…が、ここは黙っておくのが一番だろう。もう刺激するのはやめよう。と、新たに生まれた感覚には手をつけないでおくことにする。はぁ…ダメだ。もう帰ろう。

…そして気づいた、バイトの時間。


「あ!ココ、先行くね!咲バイトの時間だ!」


するとココは「そっか、じゃあ急がないと!」と、咲を急かすと、「また明日ね!」と笑顔で手を振る。咲はそのまま行こうとしたのだが…ピタリと足を止め、翔の方へと振り返った。


「…ココには牧君が居るんだからね」


それだけは言わなければと思った。ココもあんなだから言って置かねばと。なんて言われるのだろうと内心ビビりながらも咲は告げた。すると、翔から返って来たのは、


「あぁ、分かってる」


という言葉と共に先程のようなニヤリとした企むような笑顔ではなく、一瞬だが、それは軽く微笑んだような表情であった。