一番近くに君が居る



「…ココ、それってもしかして、」

「直哉はさ!」


ココは、直哉の発言を許さないかのようにあえて言葉を被せてきた。普段とは随分違ったその強い責め口調に、直哉は思わずハッと口を閉ざす。


「直哉はさ、みんなに優しいよね!だからみんなに好かれるんだよね!直哉もみんなの事好きだもんね!」

「……」

「わたしにもそうでしょ?だから優しいんでしょ?でもさ、そうなると直哉の言うわたしの事が好きっていうのはどの好きなの?みんなを好きの好き?それと同じ?」

「なっ、ちが、」

「じゃあ美穂ちゃんを好きなのと同じってこと?そういう事だよね?」

「…は?」

「わたしも美穂ちゃんもどうせ直哉には同じなんでしょっ‼︎ 」


ココは叫ぶように心の中を吐き出した。その言葉と共に直哉へ向けられる強い、強いココの視線。想い。そしてーー、


「ずっと、ずっと一緒だって、一番近くだって、約束、したのにっ」


それは、あの日からずっと見せる事のなかったもの。


「なのに、なお、直哉はっ、距離置こうって、いなくなっちゃってっ、わたしっ、わたしはっ」


零れ落ちたのはーー彼女の涙。


「わたしはっ!」



ーーもうダメだ。



直哉は、目の前の彼女を力一杯抱き締めた。