一番近くに君が居る



…あぁ、そうか。俺とココの間で何かが壊れたんだ。

前にはあったその何か。元に戻すって、一体何を?


「…なんで、そんな顔するの?」


思考が巡ると共に、故意に閉ざしていたかのように入って来なくなっていた音。しかしその問いかけだけは直哉の耳から頭へ直接響き渡った。


なんで…だって?


「…どんな顔してる?」

「え?」

「俺。どんな顔してる?」


気づくと顔を上げていたココに、その尋ねる自分の顔がどう見えるかと、瞳から目を逸らさずに直哉は尋ねた。




…ジッと見つめる、直哉の瞳。

ココは分かっていた。目が合ったら逃げられなくなる事を。しかし咄嗟に拒否してしまった自分の行動に驚き、つい顔を上げてしまった。つい彼の表情を確認してしまった。その瞬間、つい尋ねる言葉を紡いでしまった…。

あぁ。だから、だから必死に逸らしていたのに。それなのにーー

その瞳の力強さに捕らわれたココは、気づくと口が勝手に動き始めていた。小さな、小さな声がこぼれ出す。