一番近くに君が居る



黙ったままのココ。その姿は今まで見て来たココと比べて一段と小さく見えた。小さく縮こまって頑なに中の何かを隠している、そんな風にも見えるその姿。


「ココ…?」


そっと直哉は手を伸ばす。すると、


「!、やめてっ」

「え?」

「さ、触らないで」


そう言って、ココは自分へと伸ばされた直哉の手を拒否した。


直哉を、拒否したのだ。


「……」


言葉が、出ない。

行き場を無くした直哉の手は、宙でピタリと動きを止める。そしてそのまま力を失ったかのようにダラリと元の位置へと戻っていった。


「……」


…違う。言葉が出ないんじゃない。

言葉が、見つからないんだ。


直哉は働かない思考の中でそれに気づいた。これは、初めての感覚。初めて彼女の名前すら口にするのを躊躇った。声を出すにも何を言えばいいのか分からない。何を口にするのが正解なのか、どうすれば元に戻れるのか何も分からない。