一番近くに君が居る



直哉はそっと目を閉じた。そしてその想いを胸に、次はどうしようかとじっくりと思いを巡らせる。

するとその時、ふと聞こえて来た話し声。


「後は多分ここだと思うんだよなぁ」

「…本当に?こんな何も無いとこに?」

「いや、ベンチがあんだよ。アイツ結構そこ使ってるみたいで前にそこで話した事が…」


だんだんと大きくなる足音と共に近づいて来る気配。その男女二人であろう声に直哉は聞き覚えがあった。…まさか、もしかして。

そして直哉がジッと見据える先、植木の向こうからついにひょっこり現れた二人の姿。


「ほらな、ここだっただろ?」

「うわ、本当だ」

「…何でおまえらがここに居んだよ」


溜息混じりに零れた言葉。直哉の目の前にはやはり予想通り、他校の制服姿の笑華と、今日は来ないと宣言していたはずの翔の姿があった。