美穂は最後だからと割り切った。もう甘やかせて貰おう。このまま頭を撫でて貰おう。半分だけ、肩を借りよう。
「あ~あ、直哉君には綺麗な私しか見せたく無かったのになぁ~」
「え?」
「今日は散々な所を見せちゃった。八つ当たりしちゃったし、泣いちゃったし、メイクもグシャグシャ」
「でも俺は今日初めて美穂とちゃんと話せたような気がする。こんなに美穂が自分の事言ってくるの初めてだよな?」
「そりゃあそうよ。こんな私見せたく無かったもの…でも、すごくなんか、スッキリした」
美穂はふふふと笑う。直哉からは表情が見えなかったけれど、その美穂はとても嬉しそうに思えた。涙も、いつの間にか止まっている。
「はぁ~、やっとだ。やっと終わりそう。やっと諦められそう」



