一番近くに君が居る



今までの事は全て美穂の事を思ってだった。
美穂に悪い事をした分、これからは要望にはなるべく応えたいって、それはずっと美穂への罪滅ぼしのつもりでもあって…でもそれは、全て自分のエゴだった。
それに俺はずっと気づかない振りをしていた。本当は、ずっと気づいていた。でも…


「悪ぃ。でも…それでも俺、おまえに冷たくなんて出来ない。おまえに…美穂に、喜んで欲しいし、もっと幸せになって欲しい。だから俺…」


そう言うと、直哉はそっと美穂の頭に手を添える。

俺の想いが伝わればいいと思った。確かにそれは、俺のエゴだ。でも…その中には本当に、それだけでは無い気持ちが混じっているのも事実。


「…美穂の、力になりたいよ」

「…っ」


美穂は、そっと直哉に身を寄せた。


「…とか言って、付き合ってって言っても付き合ってくれないクセに。意地悪だよ、それ」

「……」

「でも…ありがとう」