「私が好きになったのはね?直哉君。ココちゃんの前での直哉君なの。ココちゃんの前でだけの…ココちゃんに恋をする、直哉君だったの」
「とっても優しくてね、何かあるとすぐ気づいてくれて、好きなんだって、大切なんだって傍に居るだけで伝わる、温かな表情をするそんな直哉君が好きなの」
そう言うと美穂は、今まで崩さなかった笑顔がだんだんと崩れ始める。
「そんな風に私を見て貰えたらどんなに素敵だろうって思ううちに、それが私に向けられないのかなって思い始めて…そしたらね、素敵だなって。幸せだなって。こんなに素敵な人は他に居ないなって、どんどん思うようになったの。…でも、」
「それが私に向く事は無いんだね」
そう言うと、ついに彼女の瞳からーー涙が、零れ落ちた。
「…美穂」
「み、見ないでっ、お願いだから」



