一番近くに君が居る




「って言っても、何も出来ないけど…」なんて、自分の言葉に自信が持てないココは長田の目の前でどんどん小さくなって行くようにも見え、俯きがちで遠慮がちに発せられた声に長田は小さく微笑んだ。

すると笑われた事に気づいたココは、「ほ、本気で言ってるのに!」と、恥ずかしそうにしながらもつんと怒ってみせ、そんなココに長田は微笑みを浮かべたままで「違うよ」と宥めるように言葉を紡ぐ。


「嬉しかったんだ、そんな風に言ってもらえて」

「……本当?」

「本当だよ。そんな返事が来ると思わなかったけど、篠宮さんは思いをちゃんと言うからきっと、それも本当なんだろうなぁと思った」


その言葉に、顔をしっかりあげたココは長田と目が合い、「そう…かな?」と戸惑いがちに尋ねる。そんなココに長田は「そうだよ」としっかり頷いた。


「篠宮さんのその、思いを素直に口にする所、尋ねる事を恐れない所は、他の人には無い良い所だと俺は思う」


目の前でしっかりと合わさった瞳。真っ直ぐ伝えられたそれ。照れる事も忘れてしまうくらいに、その褒め言葉はココの胸にじんわりと温かく留まる。それはまるで、ふと見上げた時の夕焼けのオレンジ色の温かさに似ていた。