一番近くに君が居る




「失礼しましたー」とココが出て来たのは保健室。事情を説明して絆創膏を念のため数枚頂いたのだが、一体どれくらいの怪我なんだろうとココは友美を心配した。

そんなココは足早に教室へ戻ろうとしたのだが、ふと目に入ってしまった姿に慌てて柱の影へと身を隠した。目に入ったのは中庭のベンチに座る二人の姿。保健室へは中庭の前の廊下を通るのだが、行きは慌ててた事もあってどうやら気づかなかったらしい。


直哉と美穂ちゃんだ…
そっか、さっき中庭の方に行ってたもんね…ベンチに座るつもりだったのか…


こっそりと覗いて見るが、姿が見えても声は聞こえない。しかしどうやら雰囲気はあまり良くないようで、よく見たら美穂の方は俯いて目元に手をやる姿が泣いているようにも見える。

どうしたんだろう…と、見てはいけないと思いながらもその様子に興味が湧き、目が離せないでいた、その時だった。

そっと美穂の頭に手を乗せ優しげに美穂を撫でる直哉。そしてそれに合わせて直哉の肩に頭を寄せ、ふわりと美穂は直哉に身を任せたのだ。傍から見れば、それは直哉が泣いている美穂を優しげに抱き寄せたようにも見えて…


「っ!」


ココは、まるで弾かれたようにその場から立ち去った。