一番近くに君が居る



「どう見たって牧君はココの事が好きなのに、分かっててやってるとしか思えない!」

「え、咲ちゃん知ってたの、ってちょっと待って咲ちゃん、」

「誰がどーう見たってそうでしょ!だから余計に噂になったんだよねあの時!なんでココじゃないの?つーかココじゃなかったのってね!確かに綺麗だけども!あの子も綺麗だけども!でも流石にね、可笑しいでしょ!そこはココでしょ!」

「えぇ⁈ って、そうじゃなくて、ちょっと、ちょっと咲ちゃん、ちょっと待ってってば、ねぇ!ちょっと待ってー!」


話の勢いと共に、こっそり様子を見ていた事をすっかり忘れた咲はグイグイと二人に近づいていき、そんな咲をココは必死に引き止めた。それがあまりにも必死だったためついココも声が大きくなってしまい、それに気づいた咲に「しーっ!気づかれちゃうでしょ!」と、またもやココが怒られるはめになった。
正直、咲も十分声は大きかったと思う。


「もうココ、いい加減腹括りな!早く行かないと二人が中庭の方言っちゃうよ!追いかけないと!」

「い、いや、いいの!もういい!行かない!」

「え?」

「いいの!もう宣伝終わったし一回教室戻ろう!そうしよう!」


そう言うと今度はココが咲の手を引き歩き出す。そのココの力強さに意思の硬さを感じ、咲は腑に落ちないながらも本人が言うならばとココの言葉に従う事にした。