「っ、はぁ⁈」
突然の翔の発言に思わず飲んでいた飲み物を吹き出しそうになった直哉だが、なんとか持ちこたえた。な、何?なんだ、どうした⁈
しかし翔は直哉の様子など一切気にせず「例えば、」と、視線は真っ直ぐ前を見据えたままで続ける。
「人には自分の基準がある。だから自分の基準とは違う他人を安心させてやる事も、願いを叶えてやる事も、簡単な事じゃない。それが例えたった一人でも、だ」
「……」
「アイツがおまえの事そういう風に見なかったっつーのは、すでに願いが叶ってたからだ。そしてこれがずっと続くって信じてたからだ。それ以上求めようが無いくらいに満足してたんだろ。それは全部、今日までのおまえが作りあげたもので、アイツに与え続けたもの」
「……」
「絶対的信頼。これがアイツにはあった。そんなの誰だって出来る事じゃねぇよ」
「だからおまえには一目置いてる」なんて翔は直哉の方へ視線を移し、フッと小さく笑った。そんな翔の言葉に、直哉は呆気にとられてしまった。
翔の思考が読めないと常々思っていた。でも正直、今回ほど驚いたのは初めてだ。自分とココの関係に対して興味本位の部分が大きいんだろうなぁと思っていたけど、まさか、ここまで考えていたなんて。



