一番近くに君が居る


「どうした?」

「ん?いや、なんか妙に焦ってた感じだったから…なんか、今から迎えに来てくれるって」

「そっか。そしたら来るまで一緒に待ってる。暗いからな」


「ありがとう」とココが答え、二人は階段の一番上の段に腰を下ろし直哉が来るのを待った。

もうすぐ夏休みも終わるだとか、文化祭の準備がどうとか、ウサギの着ぐるみは思っていた以上に暑いとか、夏の大会はどうだったとか、そんな話をポツポツとした。

ココの話に長田が返事をするという形ではあったが、ココにはそれで十分だった。いつも話すものと違う返事や内容、言葉遣いや様子がココには新鮮で楽しかった。幼い頃には出来なかった、今のココだから出来る事。色んな人と色んな事を話したかったし、教えて欲しかった。


「…今日は直哉と来たけど、二人で花火も見る予定だったけど、でもこうなって良かったのかもしれない」

「なんで?」

「うん。なんか長田君と仲良くなれて一杯喋れてとっても楽しかったから。夏休み終わって学校が始まるのがすごく楽しみ」


へへっとニッコリ笑ってこちらを見るココに、長田は気まずく思いながらも、「…そっか」と答える。そんな気持ちに戸惑うが、戸惑うような事も無いだろうにと自分に呆れて溜息をついた。