一番近くに君が居る



突如、その場に大きな音が響き渡り、辺りが光と色に染められる。

それはまるで、話が終わるのを待っていたかのようなタイミングで打ち上げられた花火。


「は、花火だ!そっか、始まったんだ!」

「あぁ、でもここからじゃ見えないな。木が邪魔だ」


ココ達が居る辺りは背の高い木に囲まれているような場所で、祭のメインからは離れているが、お参りするために通る道としては普段よく人が通る道である。

花火が見えないから人がいなかったのか…と、長田は納得した。ここはどこ?なんて本気で思っていたのはココだけだったということだ。


「篠宮さん、花火見る?」


長田が尋ねると、ココはもちろん「うん、見たい!」と頷く。その返事を聞いた長田は、後ろにある長い階段を指さした。


「階段を上がろう。そしたら見えるかも」