「だけど、わ、わたしだって可愛くして来たつもりだよ?浴衣じゃなかったけど、やっぱりすごい選んだし、すごい悩んだもん」
「うん」
「で、でも、浴衣の方が好きだったみたいでね?だからすごくガッカリして…って、別に直哉に何か言われたとかって訳じゃないんだけどね?だけど、やっぱりわたし、分かってないっていうか、なんか分からなくてね?」
「うん」
「でもね、美穂ちゃんは分かってたの。あ、でもだから今日浴衣なんだって言ってたわけじゃないけど、だから本当のとこは分からないんだけど、だけどそう思ったらなんか、二人にしてあげた方が良いよなって」
「え?」
「なんかわたしこんななのにここに居て邪魔だなっていうか…なんか、恥ずかしくなって。だからわたしがこっちに来て正解なんだけど…なんか、こんな格好なのに褒めてもらえるかもって期待しちゃったわたしがね、すごい子供みたいで…本当は美穂ちゃんが褒められるべきなのに。分かってるのに。わたし、なんかダメだなって…」
と、そこまで話してココはハッと口を止める。そしてみるみる内に顔が赤くなってゆき…
「ち、違うの!ごめんね、なんか、えっと、ごめんね!ごめんねほんと!」
なんて、困ったように笑いながら慌てて誤魔化してみせた。そんな様子を見て、なんで篠宮さんは謝ってるんだろう…なんて、長田は思う。



