一番近くに君が居る



その瞬間、今まで楽しそうに話していた部員らは血相を変えて一斉に直哉の方へと視線を集める。自分達のせいで直哉を困らせた過去がある身としては、この話題はタブーであった。

そんな彼らの表情からはそういえば、牧さっきから喋ってなくね…?なんて、ハラハラしているのが目に見えてわかる。

…しかし。


「……」

「…あ、あれ?おい牧?」

「ん?あ、なんだ?なんだっけ?って、なんだよ、なんで全員でこっち見てんだよ」


本人は特に気にした様子も無い…というより、何も聞こえていなかった様子だった。思わず安堵の溜息が数箇所でこぼれた。よし、話題を変えよう。


「…そういえば、花火何時からだったっけ?」