一番近くに君が居る


「…だから、可笑しいって…言っただろ…?」

「……」


完全に魂が抜けている直哉を見て翔はギョッとした。確かに、確かにコレはただごとではない。


「げ、元気だせよ。昨日は別にいつも通りだったぞ?いつも通りおまえの事大好きなココだったって」

「じゃあ今は俺の事好きじゃないのか…嫌われたのか…」

「!、ち、違ぇだろ。そんなすぐ変わるもんでもねぇだろうし、だからそんな顏すんなよ」


見てるこっちが怖いんだって!と思いながら、まるで幽霊のように覇気が無く、それでいて深くになにやら不吉な思いを抱いているような、そんな不穏な空気を纏う直哉を翔は宥める努力をする。

…しかし、それも無駄に終わった。


「もしかして、俺よりおまえを好きになったとか、そんな事じゃねぇだろうな…?」

「!」


このままじゃ危ない!と、身の危険を感じた翔は一目散に教室から退散した。なんとかしないと、話ってなんだ?そう思いながら、今日は一日直哉と関わらないようにしようと心に決めたのだった。