一番近くに君が居る


ホームルームが終わり、次の授業の準備やら話し声やらで騒つく教室内。廊下では移動教室のために生徒が行き来している。そんな中に一人、よく知った顏が廊下から教室の中を覗いでいるのが見えた。

ココだ。


直哉は声を掛けようと口を開いた。…はずだった。


「!、あ、えっと、しょ、翔君!」


確かに合った。バッチリ合ったはずの目がーーバッチリ、逸らされた。直哉は開いたままの口から声が出てこない程に動揺し、それと同様に何故かココも逸らした目を泳がせたまま動揺しているのが声に分かる。


「…え、オレ?」


そしてここにも、まさかの指名に動揺する男が一人。