赤い糸―運命のヒト―




あたしの家は帰っても多分誰もいない。



仕事でいないか弟と出掛けてるか…



あの人達は弟にしか興味がない。



あたしなんかどうでもいい存在なんだ。



もちろん家に帰っても夕飯は用意されてないし。



家族と家で顔合わせることもめったにない。



あったとしても話もしない。



話する、いや…話しかけられる時と言ったら…



『ちょっと来て…』



夜、弟が寝静まった頃に呼び出され…



―ガッ―



―バキッ―



…殴られる。



それも、見えないお腹とかばかり。



家族があたしに興味ないのも…あたしを 殴るのも…



理由は…――



あたしが『養女』だから…